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「更地で売るか古屋付きで売るか?」問題

コラムCOLUMN

よくある質問

2021/11/01

「更地で売るか古屋付きで売るか?」問題

「更地で売るか古屋付きで売るか?」問題



田舎の実家を相続しても、すでにマイホームをお持ちのため、ご実家を売却してしまう方が増えています。


そのような場合、ご実家をどうするか、悩ましいところです。

今回は、「更地」と「古屋付きの土地」のうち、どちらの売却が高値となり、節税になるのかをシェアします。

■更地で売るメリット


更地とは、建物が建っておらず、地上権や貸借権などが設定されていない状態です。更地で売却するときのメリットには、以下のようなものがあります。

1.利用方法は買手次第

立地条件にもよりますが、買い手にとって建物のない状態の方がいろいろ目的を想定できます。さらに買手が増えれば、価格競争にもなり高値で売れるケースもあります。

2.売りやすい

建物が建っていなければ、「自分の理想どおりの家を建てたい」という人にとって完成時のイメージがしやすいので、早い段階で買い手がつきやすくなります。

3.住宅の施工期間を短縮できる

更地に家を建てる場合、解体の手間がないため工事期間を短縮できます。

■更地で売却するときのデメリット


1.解体費用が先にかかる


空き家になった建物を解体して売却するときには、買主がいるいないにかかわらず解体工事を行います。


解体工事には100万を軽く超えるので、売買契約の前に解体費用がかかります。


解体費用の一部を自治体が補助する制度がありますが、適用要件にはハードルがあります。


磐田市の「解体工事の助成制度」ですが


・昭和56年5月31日以前に建築された木造住宅
・耐震診断で倒壊の危険性がある(耐震評点1.0未満)と判定された住宅
・原則として、
現在居住用で使用している住宅


などハードルが高いのです。各自治体への確認が必要となりますので、ご注意ください。


参考:磐田市 解体工事助成金


2.空き家よりも「固定資産税」が高くなる


空き家を解体して更地にすると、住宅用地の特例が適用されなくなり、建物が建っていたときに比べて固定資産税や都市計画税が3~6倍になります。


■古屋付きで売却するときのメリット

建物の価値は、一般的に築20年を過ぎてしまうと市場価値はゼロに近づくと言われています。しかし近年は、中古住宅を改修して理想の家にするリノベーションという手法も人気です。


そのような背景から、建物の状態によっては、高値で売却できるかもしれません。

1.節税効果が高い

仮に倒壊しそうな状態であっても、土地に家屋が存在する場合は「住宅用地」と見なされ、固定資産税が減額されています。


また、相続した空き家を譲渡した場合、適用要件を満たせば上限を3,000円万円とした特別控除が受けられます。

2.解体費用がかからない


家屋の解体には多額の費用がかかります。中古住宅付きだと、このような解体費用がかからないことがメリットです。


■古屋付きで売るデメリット

1.建物は契約不適合責任を追及される

古屋付きで売却するパターンは2種類あります。「解体更地渡し」で売る場合と「中古住宅」として売る場合です。


解体更地渡しの場合、古屋は壊し、土地だけ売却するので発生する問題は限られています。


中古住宅として売却する場合、買主に告知していない建物の雨漏りや白蟻被害などの「契約不適合」があった場合、売主は民法で定められた修繕するなど売主責任を負わなくてはいけません。(厳しいのです)


中古住宅の売買においては、買主が売主に契約不適合を追及する期間を1~3か月程度設定するので、引渡しからその期間はドキドキです。

2.買手が付きにくい


家屋が周囲の景観を損ね、地域の安全に支障をきたす「特定空家(とくていあきや)」に指定されている場合


取り壊せば輝る物件だとしても土地そのもののイメージが悪くなり、買い手がつきにくくなるといったこともあるでしょう


■まとめ

「更地」と「古屋付の土地」、どちらが高値で売却できるかはケースバイケースと言え、需要と供給の状況によっても変わります。

売却する不動産が、「駅に近い」「人気が高い住宅街にある」とかの立地に恵まれており、古屋の状態が良ければ、引く手あまたかもしれません。


また、立地がよくない土地でも「築浅物件」や、古民家など魅力的な建造物なら、売却も容易でしょう。

一方で、更地にして新築をイメージしてもらった方が高値で売れる不動産もあるので、一概に何が正解とは言えません。

いかなる場合でも、高値で売却するには、周辺地域や顧客層の調査が必要です。個人でわかりかねる場合は、信頼できる不動産業者さんへ相談しましょう。